虫とりのうた

昨日、読み終わった本


「虫とりのうた」赤星香一郎(講談社ノベルス


発売されたのは、随分前。

本屋で平積みされているとき、帯の文句を見て、「絶対読まなきゃ」と思った。


「新都市伝説」


だって、都市伝説大好きだから!
ブルンヴァンの本を買ってしまうほど好きなので、
「今、買わなくても、いつか買うだろう」と。
そして、先日ついに購入。古本だけど。


物語は、主人公が嫁と散歩しているシーンから始まる。
そこに「殺される」と助けを求める少女が現れる。
父親と名乗る男に、怪しさを感じた主人公赤井は、少女を助けるべきと考える。


しかし、周囲の人間は申し合わせたように無関心を装う。
おかしいと思いながらも、少女を引き渡し、赤井はその場を立ち去る。


数日後、その少女が、あの場で父親を語った男に殺害されたことを知り、良心の呵責からその葬儀に参列する。
そこで、少女の同級生たちが囁く噂を耳にする。


「あの子、呪いで死んだんだよ・・・。」


子供たちが言うには、殺された少女は、「虫とりのうた」と呼ばれる奇妙な童謡の呪いのせいで死んだという。

小説家希望の主人公赤井は、その童謡の謎を追い始めるのだった・・・。


日常が少しずつ歪んでいく様子、奇妙な田舎などは「ひぐらしのなく頃に」を思わせる展開。


可愛いひとり息子
挙動がおかしい妻
態度がおかしい妻の実家の面々
童謡に準えて、殺されていく関係者

ホラーな感じが出てますが、結構早い段階で犯人が分かるので、あまり怖さはなかったです。
あと、買うきっかけにもなった都市伝説要素も薄かったなぁ。


そして、この小説の最大のミソは、カバーに書いてある作者の言葉


「この小説には、作中で解明されていない秘密が隠されています。」


こんなこと書かれてるとどうしても解明したくなるのが人のサガ。
しかし、かなり注意深く読んだのに、解明されない秘密が分からない。
どこを検索しても分からずじまい。
一体、なんなのだろう。
誰か、知ってる人、教えて!!


解明されない秘密ではないと思うが
序盤に出てきた嫁の実家の裏の寺の話は、なんの回収もされなくていいんですか?
嫁さんがお参りしていた奇妙な像はなんだったんですか?
嫁さんとお茶をしていたのは誰だったんですか?


う〜ん、分からん。
しかし、こんなに考え込んで嵌っていくのが、作者の思う壺なんだろうなぁ。